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Channel: ガニメデス(Ganymedes)
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今どきのテレビCMの子役たち 21 保険

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今どきのテレビCMの子役たち 21 保険

最近、テレビやネットに洪水のように流れていたから知っている人も多いと思います。子供のが関係する、気になる保険のコマーシャルがふたつありました。

ひとつは子供が乗った自転車が、他人を轢く、もしくは当てて相手に怪我をさせた場合。どれだけの補償が必要か。それだけ払える金銭的余裕があるのか。ということで保険に入っていれば、保険金で賄えますよ、ということらしいCM。

まあ、内容や保険会社はどこかというようなことはともかくとして、なかなかよくできたドラマに仕上がっている。設定には無理があるところもあるが。

その中でももっとも気になるのが轢いた男の子自身が泣いてるところである。轢かれた女の子は気を失っているのか、倒れたままで顔は見せていない。でも轢いた男の子は気が動転しているのか、涙を流して泣くばかりである。誰が連絡したのか、男の子の母親が走って現場に向かっている。

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この時の母親の心情はいかばかりか。もちろん自分の息子のことも気になるが、怪我を負わせた相手がどのような状況か気になるところである。
もし死んでしまったら自分の息子は、まだ子供なのに人殺しになってしまう。自分の息子は今、どんな気持ちでいるだろう。周りから責められているかも知れない。父親にひどく叱られるかも知れない。もしかしたらもうこの団地には住めないかも知れない。いろんな事が心の中で渦巻いているだろうが、補償のことは考えていないだろう。

さて、交通事故はたいへんな事であり、この男の子もその重大さと責任にさいなまれ、泣いてしまっているが、子供の時は些細なことでもたいへんなことをしたと思って涙が湧いてでるものである。

たった千円を落としてしまった。父親の大事にしている人形を壊してしまった。おじいさんの盆栽の枝を折ってしまった。お母さんの口紅を折ってしまった。等々。

もちろん問題のあることだから子供にもそれなりの責任も感じてもらわなければならないが、感じるあまり自殺に走られたりしたら元も子もない。
大人になってから考えると大したことでもなかったが、子供の時には世界の終わりのごとく、哀しくなってしまった経験が誰でもあると思う。





もう一本のCM。これはCMだからそんなに気にすることはないのだが、私は、これがテレビで流れるたび、少し興奮して、不覚にも目頭が熱くなってしまう。

「おかあさん」と母親を呼ぶ子供の悲鳴が夜のしじまにとどろく。家の外からカーテン越しにカメラがズームインする。台所には小さな男の子が床に寝転がってピクリともしない。その傍らに空になった鍋が転がっている。

おそらくはその中に沸騰したシチューがあったのだろう。
シチューは無残にもその男の子の下半身に纏わり付いていた。
ほんとうにここまで見て、身の毛もよだつような光景にゾッとする。現実の家庭でもありそうな光景だ。

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このあと、救急車を呼ぶのは当然のことであるが、その救急車が車の渋滞でなかなか来ず、母親はどういうわけか保険会社へ電話をする。保険会社の社員は火傷の際の適切な治療法を母親に教え、結局火傷の痕も残らず子供は助かるという筋書きである。設定に無理があるがそこはCM。






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最後にすこし古いCM。公共広告機構のCMだ。

短時間で表現しなければいけないCMだから、その演出に意図的なものは多くあり、そういった周辺をわざわざ突っ込んでバカにしたコメントをする人もいるようだが、素直にそのCMの言いたい事を理解すれば壮大でなかなかの秀作だ。

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公共広告機構 CM 『黒い絵』



子供は素直に絵を描き続ける。でっかいジグソーパズルを作るために。

真っ黒に塗りたくった画用紙を何枚も何枚も描き続ける。誰がなんと言おうと、周囲の環境が変わろうと、ひたすら、自分の目標に向かって素直に描き続ける。なんと子供らしいことか。
なんでも大人の型にはめるなって言うことか。
子供というものは、時々、大人が考えも及ばないようなびっくりすることをやってのける。
最後に「やった!」と思うのは私だけではないと思う。



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