食べ物は大事に、という話
昨日の朝、ちらっとテレビのワイドショーを見ていたら、「麺なしラーメン」の話をしていた。
つまりダイエットのため、炭水化物をとらないように、ラーメンに麺を入れず、代わりに豆腐や野菜を入れる、そんなメニューのある店があるらしい。
ラーメンは食べたいが肥えたくないということのようだ。
まあ、汁はおいしいので、何を入れてもかまわないだろう。私だって若い時、インスタントラーメンを食べた時、先に麺を食べ終えるわけだが、あとに残った汁の中に冷やごはんを入れて食べたことがある。これはこれでまたおいしいものだ。最もこれではダイエットにならないが。
問題なのはこのあと紹介された事例だ。キャスターの小倉友昭も怒っていたが、回転寿司で大量の寿司飯が残飯として残されていたこと。つまり、にぎり寿司の上の魚だけ食べて、下のごはんを残すという行為。
また、ハンバーガーの中の具だけ食べてパンを食べ残すという行為。
また、ケーキのクリームだけ食べて、下のスポンジ(カステラ部分)を残すという行為。
また、ピザの生地を残して上に並べられた具だけを食べるという行為。
いずれも炭水化物の部分だけ食べ残すという、考えようによっては贅沢、かつ子供っぽい行為だ。
食べ残すならはじめから注文するなと小倉氏ならずとも叫びたくなる。
おいしいところだけを食べて、あとを残すという行為は子供っぽいといったが、実は私も小学生の低学年の頃、にぎり寿司の上の魚だけ食べて、下のごはん部分を残した経験がある。
体調を崩し、その日、学校を休んで母の付き添いで病院へ行った。その帰り道、母は昼食にと近くの寿司店で盛り合わせの折り詰めを一つ買った。
当時、寿司は高級料理で値段も高い。そんなもの昼食で食べてもいいのかと思いつつ、なんとなく楽しみになった。
にぎり寿司に巻き寿司、カッパ巻き、穴子寿司といろいろ入っていた。
家へ帰ってから母は私に、折り箱を開けて、好きなものから食べろという。
私は魚が好きだったので、にぎり寿司から食べ始めた。ふと母を見ると、カッパ巻きを食べていた。
4つ5つ食べるとお腹がいっぱいになった。でも目の前にはまだ、食べたい寿司が残っている。
そこで私はしてはいけないことをした。上に載っている魚だけを食べて、ごはんを残してしまったのである。
すると母は当然のごとく注意をした。「ごはんも一緒に食べなさい。」
でも私はお腹いっぱいだった。だから「食べられない」と言った。
母は、仕方がないといった風にため息をつき、こう言った。
「お父さんはね、あんたに元気になってもらいたい。病気を早く治してもらいたい。丈夫に大きく育ってほしい。だから栄養のあるものをいっぱい食べてほしいと一生懸命働いているんだよ。なのに残したらお父さんが悲しむよ。」
説教するでもなく、叱るでもなく、不満げに言うでもなく、ただ、淡々とありのままを話してくれた。
そして、母はその私が食べ残したごはんに醤油をつけただけで食べ始めた。
そして、子供の食べ残しをすべて食べてしまった。
子供心にも申し訳ないことをしたと思った。
それからだ。寿司を食べる時は生ものから食べる癖が付いた。
ごはんも必ず食べるのでお腹がすぐにいっぱいになる。
そして、お腹がいっぱいになって、どうしても食べ残す時がある。
そんな時、巻き寿司や穴子寿司のような火の通った保存の利くものを残すようになった。
後からじっくり考えたことだが、この時、母は、私がごはんだけを食べ残すことを予想していたのではないかと思う。
だからこそ母は始めにカッパ巻きだけ食べて、あとは、私が食べ残すのを待っていたのかも知れない。
私が食べ残したごはんに、醤油だけつけ、がりをおかずにして食べていた。
この時、母にとっては、息子にはおいしいものを食べさせたという満足感がおかずになっていたのかも知れない。
鍋の底が見えるまで綺麗に食べましょう
画像と文章は関係ありません。
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[Vietsub] BOYS UNIT FES「TKG」 - Sakurashimeji
昨日の朝、ちらっとテレビのワイドショーを見ていたら、「麺なしラーメン」の話をしていた。
つまりダイエットのため、炭水化物をとらないように、ラーメンに麺を入れず、代わりに豆腐や野菜を入れる、そんなメニューのある店があるらしい。
ラーメンは食べたいが肥えたくないということのようだ。
まあ、汁はおいしいので、何を入れてもかまわないだろう。私だって若い時、インスタントラーメンを食べた時、先に麺を食べ終えるわけだが、あとに残った汁の中に冷やごはんを入れて食べたことがある。これはこれでまたおいしいものだ。最もこれではダイエットにならないが。
問題なのはこのあと紹介された事例だ。キャスターの小倉友昭も怒っていたが、回転寿司で大量の寿司飯が残飯として残されていたこと。つまり、にぎり寿司の上の魚だけ食べて、下のごはんを残すという行為。
また、ハンバーガーの中の具だけ食べてパンを食べ残すという行為。
また、ケーキのクリームだけ食べて、下のスポンジ(カステラ部分)を残すという行為。
また、ピザの生地を残して上に並べられた具だけを食べるという行為。
いずれも炭水化物の部分だけ食べ残すという、考えようによっては贅沢、かつ子供っぽい行為だ。
食べ残すならはじめから注文するなと小倉氏ならずとも叫びたくなる。
おいしいところだけを食べて、あとを残すという行為は子供っぽいといったが、実は私も小学生の低学年の頃、にぎり寿司の上の魚だけ食べて、下のごはん部分を残した経験がある。
体調を崩し、その日、学校を休んで母の付き添いで病院へ行った。その帰り道、母は昼食にと近くの寿司店で盛り合わせの折り詰めを一つ買った。
当時、寿司は高級料理で値段も高い。そんなもの昼食で食べてもいいのかと思いつつ、なんとなく楽しみになった。
にぎり寿司に巻き寿司、カッパ巻き、穴子寿司といろいろ入っていた。
家へ帰ってから母は私に、折り箱を開けて、好きなものから食べろという。
私は魚が好きだったので、にぎり寿司から食べ始めた。ふと母を見ると、カッパ巻きを食べていた。
4つ5つ食べるとお腹がいっぱいになった。でも目の前にはまだ、食べたい寿司が残っている。
そこで私はしてはいけないことをした。上に載っている魚だけを食べて、ごはんを残してしまったのである。
すると母は当然のごとく注意をした。「ごはんも一緒に食べなさい。」
でも私はお腹いっぱいだった。だから「食べられない」と言った。
母は、仕方がないといった風にため息をつき、こう言った。
「お父さんはね、あんたに元気になってもらいたい。病気を早く治してもらいたい。丈夫に大きく育ってほしい。だから栄養のあるものをいっぱい食べてほしいと一生懸命働いているんだよ。なのに残したらお父さんが悲しむよ。」
説教するでもなく、叱るでもなく、不満げに言うでもなく、ただ、淡々とありのままを話してくれた。
そして、母はその私が食べ残したごはんに醤油をつけただけで食べ始めた。
そして、子供の食べ残しをすべて食べてしまった。
子供心にも申し訳ないことをしたと思った。
それからだ。寿司を食べる時は生ものから食べる癖が付いた。
ごはんも必ず食べるのでお腹がすぐにいっぱいになる。
そして、お腹がいっぱいになって、どうしても食べ残す時がある。
そんな時、巻き寿司や穴子寿司のような火の通った保存の利くものを残すようになった。
後からじっくり考えたことだが、この時、母は、私がごはんだけを食べ残すことを予想していたのではないかと思う。
だからこそ母は始めにカッパ巻きだけ食べて、あとは、私が食べ残すのを待っていたのかも知れない。
私が食べ残したごはんに、醤油だけつけ、がりをおかずにして食べていた。
この時、母にとっては、息子にはおいしいものを食べさせたという満足感がおかずになっていたのかも知れない。
鍋の底が見えるまで綺麗に食べましょう
画像と文章は関係ありません。
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