片岡千之助君の近況
3月の新しい歌舞伎座開場記念の銀座お練り以後、6月の「廓文章」で太鼓持ちの豊作の役をやってから、とんと、お芝居や踊りの話題を聞かない。私が知らないだけかも知れないが・・・。
中学2年生。学業が忙しいのだろうか。それとも歌舞伎俳優としてむつかしい年齢にさしかかったのかな。年齢のわりにはまだまだ小柄なので大人の役を任せきれないのかな。
よく歌舞伎の世界で言われる事。
子役の時は可愛くて、人気があったけれど、大きくなるにつれてその可愛さも消え失せ、十代は役どころのない世代と言われてしまう。大人の役も満足にできず、女形もできない。かといって子役もできない。歌舞伎の世界では、本当に使い道のない世代らしい。十代の歌舞伎俳優が仕事もなくて、うずうずとくすぼって、事件を起こし、週刊誌のネタにされやすいのもこの時期。この時期を乗り越えると立派な大人の俳優になれるのだろうが、御曹司でありながら、歌舞伎界から離れる人もいるそうな。
他の芸能界では、十代のタレントといえば、華やかにスポットライトを浴びて、若いファンからキャーキャーと黄色い声援を受ける世代なのだが、歌舞伎界ではそうでもないらしい。ローティーンの浜田龍臣や加藤清史郎、前田旺四郎などは映画やテレビドラマで、主役もしくは主役クラスの役を任せて貰って、華々しく活躍しているのに、同じ世代の歌舞伎界の少年俳優達はなかなかいい役を付けて貰えない。
いっそのこと、歌舞伎界もニューウェーブを起こして、少年俳優を前面に出し、主役に抜擢するような新しいお芝居が作られてもいいのではないだろうか。
既存の演目にも義経や曽我の五郎、弁天小僧など少年俳優が演じても不都合のない演目がたくさんあるのに、60代、70代の皺くちゃの老人俳優ばかりが演じる事が多く、何か違和感がある。
たしかに、技量の面で問題があるのかも知れないが、それも若さの魅力ではないだろうか。
「鬼一法眼三略巻」の牛若丸なんか千之助君にやってほしいなあー。
せっかくの少年振り、せっかくの若々しい動きを発揮させず、みすみす潰したり、隠したりしてしまうようでは残念で仕方がない。
下の画像は今年6月の女性週刊誌に載った千之助君の記事。
内容を読みたい方は拡大して読んで下さい。
学校の古典か日本文化史の授業で習ったかも知れないが、江戸時代、歌舞伎が始まった頃、たしか男ばかりで演じられる野郎歌舞伎と女性ばかりで演じられる遊女歌舞伎、それに前髪立ちの少年ばかりで演じられる若衆歌舞伎という物があったそうな。
風紀が乱れるという事で遊女歌舞伎と若衆歌舞伎は禁止されたそうであるが、風紀が乱れるほどの若衆歌舞伎・・・一度は観てみたかった。
さて若衆歌舞伎とまでは行かなくとも、歌舞伎界も他のテレビドラマや映画などと同じように、子供や少年俳優が活躍する新しい芝居を考えてもいい頃ではないか。いつまでも皺だらけの老人俳優が少年の役をやっていても、観ていて気分が乗らない。技量のない少年俳優が主役を演じると、「伝統芸能」としての歌舞伎の名声に傷がつくと思っているのなら、それは逆に「伝統芸能」というものにあぐらをかいて、大衆の期待を裏切る背反行為と言わざるを得ない。歌舞伎は大衆芸能であったはず。
********************************
子役といえどプロはプロ。
アマチュアの演技と見比べて下さい。
黒森農村歌舞伎の「白波五人男」
プロの御曹司による「白波五人男」
平成元年のドキュメンタリー・・・らしい。
動画の中で、
市川新之助と紹介されているのは現在の市川海老蔵。
尾上丑之助と紹介されているのは現在の尾上菊之助。
中村勘太郎と紹介されているのは現在の中村勘九郎。
3月の新しい歌舞伎座開場記念の銀座お練り以後、6月の「廓文章」で太鼓持ちの豊作の役をやってから、とんと、お芝居や踊りの話題を聞かない。私が知らないだけかも知れないが・・・。
中学2年生。学業が忙しいのだろうか。それとも歌舞伎俳優としてむつかしい年齢にさしかかったのかな。年齢のわりにはまだまだ小柄なので大人の役を任せきれないのかな。
よく歌舞伎の世界で言われる事。
子役の時は可愛くて、人気があったけれど、大きくなるにつれてその可愛さも消え失せ、十代は役どころのない世代と言われてしまう。大人の役も満足にできず、女形もできない。かといって子役もできない。歌舞伎の世界では、本当に使い道のない世代らしい。十代の歌舞伎俳優が仕事もなくて、うずうずとくすぼって、事件を起こし、週刊誌のネタにされやすいのもこの時期。この時期を乗り越えると立派な大人の俳優になれるのだろうが、御曹司でありながら、歌舞伎界から離れる人もいるそうな。
他の芸能界では、十代のタレントといえば、華やかにスポットライトを浴びて、若いファンからキャーキャーと黄色い声援を受ける世代なのだが、歌舞伎界ではそうでもないらしい。ローティーンの浜田龍臣や加藤清史郎、前田旺四郎などは映画やテレビドラマで、主役もしくは主役クラスの役を任せて貰って、華々しく活躍しているのに、同じ世代の歌舞伎界の少年俳優達はなかなかいい役を付けて貰えない。
いっそのこと、歌舞伎界もニューウェーブを起こして、少年俳優を前面に出し、主役に抜擢するような新しいお芝居が作られてもいいのではないだろうか。
既存の演目にも義経や曽我の五郎、弁天小僧など少年俳優が演じても不都合のない演目がたくさんあるのに、60代、70代の皺くちゃの老人俳優ばかりが演じる事が多く、何か違和感がある。
たしかに、技量の面で問題があるのかも知れないが、それも若さの魅力ではないだろうか。
「鬼一法眼三略巻」の牛若丸なんか千之助君にやってほしいなあー。
せっかくの少年振り、せっかくの若々しい動きを発揮させず、みすみす潰したり、隠したりしてしまうようでは残念で仕方がない。
下の画像は今年6月の女性週刊誌に載った千之助君の記事。
内容を読みたい方は拡大して読んで下さい。
学校の古典か日本文化史の授業で習ったかも知れないが、江戸時代、歌舞伎が始まった頃、たしか男ばかりで演じられる野郎歌舞伎と女性ばかりで演じられる遊女歌舞伎、それに前髪立ちの少年ばかりで演じられる若衆歌舞伎という物があったそうな。
風紀が乱れるという事で遊女歌舞伎と若衆歌舞伎は禁止されたそうであるが、風紀が乱れるほどの若衆歌舞伎・・・一度は観てみたかった。
さて若衆歌舞伎とまでは行かなくとも、歌舞伎界も他のテレビドラマや映画などと同じように、子供や少年俳優が活躍する新しい芝居を考えてもいい頃ではないか。いつまでも皺だらけの老人俳優が少年の役をやっていても、観ていて気分が乗らない。技量のない少年俳優が主役を演じると、「伝統芸能」としての歌舞伎の名声に傷がつくと思っているのなら、それは逆に「伝統芸能」というものにあぐらをかいて、大衆の期待を裏切る背反行為と言わざるを得ない。歌舞伎は大衆芸能であったはず。
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子役といえどプロはプロ。
アマチュアの演技と見比べて下さい。
黒森農村歌舞伎の「白波五人男」
プロの御曹司による「白波五人男」
平成元年のドキュメンタリー・・・らしい。
動画の中で、
市川新之助と紹介されているのは現在の市川海老蔵。
尾上丑之助と紹介されているのは現在の尾上菊之助。
中村勘太郎と紹介されているのは現在の中村勘九郎。