ドラマ「家族ノカタチ」における、さくらしめじの彪我君の立場
正直いって、田彪我君、まだまだ若いし、芸能人として、芸も人気も一流とま
では行かないけれど、その年齢とマスクとスタイルで、ドラマの本筋に関わる立
場にあることはたしかだ。ちなみにドラマを見ていない方はスルーして下さってもけっこうです。
下の画像の中には田彪我君はいない。もちろん千葉さんや柳原さんもいないから彪我くんがいるわけはないんだが、それでもドラマの本筋にはなくてはならない存在であることには変わりない。
浩太役がなければ、義父の陽三さんが大介さんのマンションに居候する理由もないわけだし、陽三さんがいなければ、火事騒ぎや悪臭騒ぎで葉菜子と接触する事もないわけである。したがってドラマは成り立たない。
単なるアラフォー男のマンションでの独身貴族の生活ぶりを追うだけの平々凡々な物語になってしまう。
それでは、浩太役は誰でもいいかというと、まったくそうではない。
まず男子でなければ同居はできない。
またひととおり、世間の道理や社会のルールを理解しているが、家族を形成するに当たって、保護者の必要な年齢の子でなくてはならない。
またその不幸な生い立ちや、自閉的な性格を強調し、家族の成り立ちの困難さを視聴者に視覚的にアピールするためには、それなりの美的要素の高い子役でなくてはならない。
さらに演技力も問われる。
という事で浩太役は田彪我君が最適ということになりました。
さて、口数少ない浩太君ですが、それゆえに、そのひと言ひと言に重みがあり、主役の大介さんの家族に対する考え方に大きな影響を与えています。
同じ部屋で暮らし、共同生活している同居人ですから、その言葉や態度におたがい影響されるわけです。
ここが家族の家族たる所以です。
さて浩太君、どの程度に本筋に関わっているのか。キーパーソンともいえる立場から、数少ないセリフでドラマを盛り上げています。
第1話、「あんなに誉めてくれる人をバカなんていうな!」
浩太君は義父の陽三さんが好きなんでしょうね。
火事騒ぎを起こす父親に対して、「バカ親父」と非難する義兄の大介。それに対して、無口な浩太が、もしかしたら大介に殴られるかも知れないという決死の覚悟で反論した言葉です。
子供らしい正論です。
大人になったら素直にそういう事を表現できなくなってしまうから。
大介は、最も立場の弱い者にあたりまえのことを指摘されて、恥ずかしさと共に父親をそういうふうに慕う人がいることに救われた気持ちになれたのでしょう。父と義弟の居候を承諾しました。
これは、また、傍若無人な父親の行動に腹を立てたり、出演者のコミカルなやりとりで興奮している視聴者の頭を冷やさせ、ドラマ自体をキリッとしまったものにして終わらせたセリフでした。
それを彪我君、好演しました。
第2話、「施設に行くの初めてじゃないから。」
浩太が施設に預けられることを承知で、伯父に託そうとしたとき、大介に向けられた、浩太の言葉です。自分に課せられた宿命を淡々と受け入れようとしている。
私も見ていて、身体中の血がさーっと引いていくほどショッキングな場面でした。
これは自我の確立しつつある中学生の役でなければ言えない言葉です。
この時の大介の複雑な心境。
宿命をおとなしく受け入れようとしている浩太を犠牲にして、自分の主張を貫こうとしている自分はなんて、勝手で、卑怯な人間なんだ。
少なくとも、義父であっても生活の面倒を見ようとしている人がいるのに、それを無視して施設に入れようとしている。その理不尽さ。
自信を持って主張してきた独身主義の理屈がガラガラと崩れる瞬間でした。
第3話、「なんで変わったの、なんで変われたの?」
浩太が直接、大介に言った言葉ではなくて、義父陽三に対して、年を取ってから性格や生活状態を変えた事に対しての疑問をぶつけた言葉です。
その結果、陽三が亡くなった妻からの手紙を大介に見せるきっかけを作り、
そして、大介は両親の家族に対する気持ちや考え方を知る事になるのです。
第6話、「大介さん、やさしい」
荒々しい言葉や仕種で父親と喧嘩ばかりしていても、学校に行かせて貰ったり、教科書やノートに名前を書いて貰ったことにより、大介という人は、根はやさしい人と見抜いた浩太が、「自分はやさしくない」と悩む大介にかけた言葉。
大人どうし、言い争いばかりしていても、第三者的な子供から「あなたはやさし
い」と指摘され、大介自身、思わず自分の性格を客観的に見直すことになるきっかけとなるのである。
まだまだドラマは続くと思います。どういった展開になるかはわかりません。
28日には田中雅功君がゲスト出演して、浩太君のよきクラスメートになる予定です。
********************************
第6話の中でちょっとした感動場面があった。彪我君の役とは関係ないのだがドラマの伏線としては重要な場面だ。
荒川良々扮する佐々木という、大介の同僚の独身男性が、婚活パーティーで知り合った若い女性に婚活詐欺を働かされるシーンだ。なかなか高齢の独身男性としては身につまされるシーンでした。
知り合って間もない女性から、結婚するから、300万円を用立てて欲しいと言われ、貯金を下ろす。しかし、会社の同僚や課長から「詐欺ではないのか」と責
められ、必死で相手の女性をかばおうとしている。
300万円の入った紙包みを鷲づかみにして、自分のしようとしている事になんとか正当性を持たせようとうごめく。
彼のその時の心境はこうだろうか。
せっかく結婚できそうなチャンス。これを逃したら一生ないかも知れない。そういう意味では300万円なんて安いものだ。300万円でバラ色の未来が開けるかも知れない。逆に300万円ケチったためにすばらしい女性から愛想を付かせられるかも知れない。ここは悩みどころ。
たしかに知り合って間もない女性から大金を請求されるのはおかしい。ほんとうに詐欺かも知れない。でも大金を渡す事によって、彼女の心根が変化し、詐欺を辞めてほんとうに結婚してくれるかも知れない。それに詐欺だというたしかな証拠もない。
誰か証明してくれないであろうか。
結局はお金を渡さずにすむわけですが、ヨダレを流しながら泣きじゃくる、荒川
良々の熱演に感動させられるシーンでした。
正直いって、田彪我君、まだまだ若いし、芸能人として、芸も人気も一流とま
では行かないけれど、その年齢とマスクとスタイルで、ドラマの本筋に関わる立
場にあることはたしかだ。ちなみにドラマを見ていない方はスルーして下さってもけっこうです。
下の画像の中には田彪我君はいない。もちろん千葉さんや柳原さんもいないから彪我くんがいるわけはないんだが、それでもドラマの本筋にはなくてはならない存在であることには変わりない。
浩太役がなければ、義父の陽三さんが大介さんのマンションに居候する理由もないわけだし、陽三さんがいなければ、火事騒ぎや悪臭騒ぎで葉菜子と接触する事もないわけである。したがってドラマは成り立たない。
単なるアラフォー男のマンションでの独身貴族の生活ぶりを追うだけの平々凡々な物語になってしまう。
それでは、浩太役は誰でもいいかというと、まったくそうではない。
まず男子でなければ同居はできない。
またひととおり、世間の道理や社会のルールを理解しているが、家族を形成するに当たって、保護者の必要な年齢の子でなくてはならない。
またその不幸な生い立ちや、自閉的な性格を強調し、家族の成り立ちの困難さを視聴者に視覚的にアピールするためには、それなりの美的要素の高い子役でなくてはならない。
さらに演技力も問われる。
という事で浩太役は田彪我君が最適ということになりました。
さて、口数少ない浩太君ですが、それゆえに、そのひと言ひと言に重みがあり、主役の大介さんの家族に対する考え方に大きな影響を与えています。
同じ部屋で暮らし、共同生活している同居人ですから、その言葉や態度におたがい影響されるわけです。
ここが家族の家族たる所以です。
さて浩太君、どの程度に本筋に関わっているのか。キーパーソンともいえる立場から、数少ないセリフでドラマを盛り上げています。
第1話、「あんなに誉めてくれる人をバカなんていうな!」
浩太君は義父の陽三さんが好きなんでしょうね。
火事騒ぎを起こす父親に対して、「バカ親父」と非難する義兄の大介。それに対して、無口な浩太が、もしかしたら大介に殴られるかも知れないという決死の覚悟で反論した言葉です。
子供らしい正論です。
大人になったら素直にそういう事を表現できなくなってしまうから。
大介は、最も立場の弱い者にあたりまえのことを指摘されて、恥ずかしさと共に父親をそういうふうに慕う人がいることに救われた気持ちになれたのでしょう。父と義弟の居候を承諾しました。
これは、また、傍若無人な父親の行動に腹を立てたり、出演者のコミカルなやりとりで興奮している視聴者の頭を冷やさせ、ドラマ自体をキリッとしまったものにして終わらせたセリフでした。
それを彪我君、好演しました。
第2話、「施設に行くの初めてじゃないから。」
浩太が施設に預けられることを承知で、伯父に託そうとしたとき、大介に向けられた、浩太の言葉です。自分に課せられた宿命を淡々と受け入れようとしている。
私も見ていて、身体中の血がさーっと引いていくほどショッキングな場面でした。
これは自我の確立しつつある中学生の役でなければ言えない言葉です。
この時の大介の複雑な心境。
宿命をおとなしく受け入れようとしている浩太を犠牲にして、自分の主張を貫こうとしている自分はなんて、勝手で、卑怯な人間なんだ。
少なくとも、義父であっても生活の面倒を見ようとしている人がいるのに、それを無視して施設に入れようとしている。その理不尽さ。
自信を持って主張してきた独身主義の理屈がガラガラと崩れる瞬間でした。
第3話、「なんで変わったの、なんで変われたの?」
浩太が直接、大介に言った言葉ではなくて、義父陽三に対して、年を取ってから性格や生活状態を変えた事に対しての疑問をぶつけた言葉です。
その結果、陽三が亡くなった妻からの手紙を大介に見せるきっかけを作り、
そして、大介は両親の家族に対する気持ちや考え方を知る事になるのです。
第6話、「大介さん、やさしい」
荒々しい言葉や仕種で父親と喧嘩ばかりしていても、学校に行かせて貰ったり、教科書やノートに名前を書いて貰ったことにより、大介という人は、根はやさしい人と見抜いた浩太が、「自分はやさしくない」と悩む大介にかけた言葉。
大人どうし、言い争いばかりしていても、第三者的な子供から「あなたはやさし
い」と指摘され、大介自身、思わず自分の性格を客観的に見直すことになるきっかけとなるのである。
まだまだドラマは続くと思います。どういった展開になるかはわかりません。
28日には田中雅功君がゲスト出演して、浩太君のよきクラスメートになる予定です。
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第6話の中でちょっとした感動場面があった。彪我君の役とは関係ないのだがドラマの伏線としては重要な場面だ。
荒川良々扮する佐々木という、大介の同僚の独身男性が、婚活パーティーで知り合った若い女性に婚活詐欺を働かされるシーンだ。なかなか高齢の独身男性としては身につまされるシーンでした。
知り合って間もない女性から、結婚するから、300万円を用立てて欲しいと言われ、貯金を下ろす。しかし、会社の同僚や課長から「詐欺ではないのか」と責
められ、必死で相手の女性をかばおうとしている。
300万円の入った紙包みを鷲づかみにして、自分のしようとしている事になんとか正当性を持たせようとうごめく。
彼のその時の心境はこうだろうか。
せっかく結婚できそうなチャンス。これを逃したら一生ないかも知れない。そういう意味では300万円なんて安いものだ。300万円でバラ色の未来が開けるかも知れない。逆に300万円ケチったためにすばらしい女性から愛想を付かせられるかも知れない。ここは悩みどころ。
たしかに知り合って間もない女性から大金を請求されるのはおかしい。ほんとうに詐欺かも知れない。でも大金を渡す事によって、彼女の心根が変化し、詐欺を辞めてほんとうに結婚してくれるかも知れない。それに詐欺だというたしかな証拠もない。
誰か証明してくれないであろうか。
結局はお金を渡さずにすむわけですが、ヨダレを流しながら泣きじゃくる、荒川
良々の熱演に感動させられるシーンでした。